2005年11月27日

ゾイドジェネシス:「強襲」


 今回の話を端的にいい表わすなら……ここ最近の好調ぶりを見事に裏切る、形式と内容の共倒れっぷり。


 ズーリに侵攻しようとするディガルド軍。画面右上に表示されてる「字幕放送」が哀愁漂う。

 ディガルド軍の移動砲台って、『アインハンダー』に出てくるホ○二ッセを彷彿とさせるんですが。両者の決定的な差は、後者が「命中率が低いため、実用よりも敵に与える心理的効果を目的」としているのに対し、前者の方は大威力の砲弾がつぎつぎと敵拠点に吸い込まれていくといったところでしょうか。まあ、ホ○二ッセは列車砲だし……

 皆さん! 巨○兵が出てきましたよっ!!

 何だよ、あの大火力のレーザー砲は……怒涛のごとく押し寄せてくるバイオラプターが、つぎつぎと薙ぎ払われていく。まさに「モルガ=○蟲」の役回りに甘んじてるバイオラプター部隊。ズーリの防衛能力は、なんだか凄いところでハイテック。「その程度の戦力では、落とせぬとわかっていように……」とはダ・ジンさんの言。青白い後光のおかげで、渋顔率2割増。

 対するボラー少将もワンダフル渋面。何気なしにロングな登場スパンを誇る先生、双眼鏡で戦場を眺めつつ、重々しい間を置きながら「……撤退だ」の一言。

 もう、ここはオジサマの園か何かですか?



 ディガルド軍の屯所の内装ってステッキーですよね。しかも、奥にヴォルケーノということは、こんな上品な部屋が格納庫に併設されてるという……この構図は、私的にジェノブレを見上げる某中尉チックで素敵なんですが、やっぱりそういうことなのか? これはヴォルケーノにOSが積まれていることを、バトストファンに暗に伝えるための製作班側の意図なのか?

 ……そんなわけないさ。

 「幸運がそう続かないことを教えてあげるよ、ルージくん……」とおっしゃる少将閣下。その後、自身の薄幸を嘆かれる。

 ムラサメライガーのデッサンをしてるソウタくん。激ウマ。美術の評点で100を取ること間違いなし。自分も、あんなゾイド絵がもらえたら……あえて、描けるようになれたら、とはいわん。

 その絵を見て、「上手じゃない」ともらすフェルミさん。入浴シーン多過ぎ。しかも、ズーリを遠方に望みつつ、野外でバスタブというこの不自然さ。お湯はどこから引いてきたんだろう……


 期日の50日目を迎え、再びズーリの地に集ったルージ一行。感動の再会シーンなんて、ダ・ジンさんの「姫さまぁぁああっ!!」くらいでしたな。

 久しぶりの会議ですね。集合時間に遅れてしまい、あまつさえ浮気までしてみせたルージくんに、レ・ミィ嬢が剣呑な視線を送ってますね。実はこのレビューで初めて画像を取り上げられたティ・ゼさんは、相変わらずいいオジサマっぷりですね。「コッピン村のカンピヨ」とか「ジュパーブ山のサンズ」とか「デュエズ峠のボントレノ」とか、皆さん色々なゲリラに協力を求めたようですけど、ことごとく断られてしまったようですね。私的に、ダブルソーダにレッドホーンの三連衝撃砲が装着されていたり、ステルスバイパーがアンビエントか何かが合体してるんじゃないかと思えるほど長かったりするのが気になるんですが、とりあえず仲間になっても大した戦力にならなそうな人たちばっかりですね。

 ディガルドがバイオラプターを“掘り出していた”のではなく“生産していた”という事実に、とりあえず驚いておく皆さん。

 ルージくん、「各地でアイドル化説」急浮上。後ろでラ・カン小父様が、「兵士たちに勝利を確信させる“何か”、か……」とルージくんを見つめながらほくそ笑んでいます。気をつけろ、ルージくん。祭り上げられるな。


 第一次全面会戦で敗れ去った同志たちの墓を望みつつ、討伐軍の将来を案じているルージくん。そんな彼に、「ひとつしかない命……それぞれの命、大切にしなくちゃね」と声をかけてくるロン先生。傍らでレ・ミィ嬢が、「あとで厨房にきて」と普通に女の子っぽい面持ちでルージくんを誘っておりますが、それを聞いたルージくん、声に戸惑いが感じられます。

 月を眺めていたセイジュウロウ師匠。クルックーの声がしたので振り返ると、向こうからコトナさんがやってきます。「俺は長生きするそうだ……」と、前にダンブルさんにいわれたことをコトナさんに告白するセイジュウロウ師匠。……あれ、声優さん変わったかな? むしろ、ここは師匠とコトナさんのフラグ点灯に注目すべきなのか。

 食卓についたルージくんの手前に差し出される、奇妙な汁物。これは何汁かな? タコの足と、ナルトと、なんか芋めいたものが浮かんでおりますね。……この取り合わせは何ぞや? とりあえず、「え……ミィって、丸焼きしかつくれないんじゃ……」とお約束の禁句を口走ってしまうルージくん。ああ、レ・ミィ嬢の作画が乱れちゃったよ。脅されつつ、恐る恐る奇妙な汁物に手を伸ばすルージくん。傍らで流し目を使っているレ・ミィ嬢を気づかってあげよう。

 「おいしい……おいしいよ、ミィ!」

 命拾いしたね。

 「それ食べて、元気出しなさい」というレ・ミィ嬢。頬が真っ赤。姫様のデレデレ指数が3%くらい上がった瞬間。

 一方、ディガルドの皆さんが、ズーリを遠望しつつ突撃の算段を立てているようで。前回、ルージくんに敗北を喫したソウタくん、ムラサメライガーを「ぶっ潰してやるからなっ……」と殺る気マンマン。「敵の軍勢に囲まれたら、どうするつもりだね?」と警告するボラー少将に、「ザコはしっかり引きつけておいてよ。そのために、アンタの部隊がいるんだから」と実に小生意気な言葉を返してきよります。オジサンにそんな口の利き方ではイカンッ!! と、ボラー少将が「……大佐。子供であろうと、軍の規律は教えておくべきだな」とフェルミさんに忠告しておりますが、それに対して「いいのよ。この子は特別なのよ」とだけ返すフェルミさん。

 えー、あー……もしかして、ママンでいらした?

 それを聞いたボラー先生、ちょっと苦々しそうに顔を歪めつつ、

 「……ガゼルくん。潜伏中の各歩兵小隊を撤退させろ。作戦開始だ」

 ……ああ、もう、どうして、こう、間の置き方を心得ていらっしゃるオジサマは素敵なのでしょうか。

 というか、ガゼル参謀、また出てこられましたね。といっても、実に地味な使われっぷりで、初登場時はザイリン閣下の噛ませ犬的な存在として終始した彼。いわゆる哀愁キャラというやつですね。

 ディガルド軍が攻撃を再開。昼間のうちに発見しておいたズーリの入口へ、予め屍に見せかけておいたバイオラプター部隊を突入させます。これを迎撃すべく、要塞内で防戦を繰り広げはじめるディガルド討伐軍。しかしながら、空が気になるルージくん。出撃シーンでは皆と一緒に出ていますが、あとで一人だけちゃっかり格納庫に残ってたりします。

 ここからは、もうレビューする気が起きない……なぜなら、戦斗機動が古いやつの使い回しだったから。

 いや、荒法師が死んだときの戦斗機動を持ち出すのはやめましょうよ。先週のバイオケントロとのアクロバティックな戦斗機動だって、使い回しちゃったら興ざめってもんですよ。ソードウルフの必殺技は微妙に描き変えられていて、ビームスマッシャーが完全な光輪になってたけど……いや、これはニヤリものですが。


 バイオプテラに空輸してもらって、ズーリの中心部に降り立ったバイオケントロ。「ルージくん、上だっ!!」とロン先生が格納庫に駆けつけていうなり、格納庫の出撃デッキに乗ってウオンウオンと地上に昇っていくルージくん。こんなところが微妙にハイテックなズーリの砦。その間に守備隊のロクロウモルガが、ケントロの背ビレミサイルで蹴散らされております。そりゃ、もう、面白いくらいに“ピョーンピョーン”と。

 エヴォルトして、再びケントロと鍔迫り合い。もちろん、絵は使い回し。ケントロの大角を受け止めるので精一杯のルージくん、そのまま発射された背ビレミサイルを思いっきり背中に食らってしまいます。ここからは使い回しじゃないね。衝撃に襲われるルージくんでしたが、主人公補正のおかげで掠り傷一つないハヤテライガー。そのまま、皆に託された想いを回想しつつ、ムゲンライガーへ第二のエヴォルト。

 いや、そこの描写、あっさり流し過ぎだろ。

 とりあえず、念願のムラサメ二刀流を会得できて、ケントロの大角を封じ込めることに成功したルージくん。そのまま腹部の三連衝撃砲を怒涛のごとく発射。あまりの連撃に、その場を凌ぎきれないバイオケントロ。相変わらず、悲鳴がキモいソウタくん。フェルミさんがそれを助けようとしますが、ロン先生の放ったたった一発の笹ミサイル……まあ、散弾だったので、それをかわし切れず翼を損傷。よって、ケントロを回収することも叶わず。……というか、フェルミさんとロン先生、面識なかったはずだけど、なんでお互いの名を呼び合ってるの?

 そのまま、衝撃砲に打ちのめされたケントロの腹部へ、ムゲンライガーの大剣がザシュ……続け様に、左肩にもザシュ……あれ? 音が肉っぽくないぞ。この二発の斬撃が致命的だったようで、そのままムゲンライガーと一緒に爆炎に包まれてしまうバイオケントロ。あっけない最期でしたな。ボラー先生を侮辱するからこういうことになるんですな。

 いや、翼を損傷してフラフラしていたバイオプテラも、ケントロを回収していたようには見えなかったので、少なくともケントロは撃破されちゃったんでしょうね。残骸は見当たらなかったけど。……どうせ、ソウタくんは脱出したんだろうねぇ。次回予告で、お母さんがいかにも余裕そうに入浴しておられましたから。


 ハヤテライガーのエヴォルトシーンが、小恥ずかしいほどカッコよい代物なので、影に隠れてしまったムゲンライガーのエヴォルトシーン。むしろ、CG班はあきらかに仕事が間に合わなかったと見える。まあ、ハヤテライガーの初登場時も何の前触れもなくゲオルグを倒してたからね……とにかく、拍子抜けの感が否めない。

 朝焼けに向かって撤退していくディガルド軍。これぞまさに明日への撤退。

 今回は、なんだか話の筋もいい加減な印象を受けたんですよねぇ。というか、このアニメはいまいち山場の盛り上がりに欠ける傾向にありますなぁ。絵は綺麗だけど、勢いはないという典型的な例でしょうか。このまま、ザイリン閣下もあっさりムゲンライガーに一刀両断なのですね……やんぬるかな。

 というか、ザイリン閣下の登場シーンが少なすぎ。とりあえず、今日は生存表明して満足されたようで。あまりにも登場シーンが少なかったので、つい師弟つながりでボラー先生に浮気してしまいましたよ。いいですねぇ、オヤジキャラ。……思えば本作品は、魅力的なオヤジキャラで溢れ返っている。ラ・カン叔父様、ダ・ジンさん、ティ・ゼさん、ボラー先生、ディガルド皇帝陛下……やっぱり、ここはオヤジの園のようで。

 今日は本編の方がいい加減だったせいで、レビューの方もかなりいい加減になっております。きっと、平気で嘘をついてるところが多々あるので、あまり信じ込まないようにしましょう。少なくとも、三箇所は虚構を織り交ぜたことを自覚しております。……そのくせ、画像はいつもより多いんですよね。

 次回「奇襲」。そのまた次は「夜襲」か何かか。


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Posted by ねたろう at 22:23│Comments(0)ゾイドジェネシス
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ゾイジェネ34話「強襲」でのルージ君の日記です。
注:自分なりのルージ君の視点なので実際のルージ君とは異なった性格を持つ場合があります。
ゾイドジェネシス ルージ日記 #34【CODY スピリッツ!】at 2005年11月27日 23:40
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